気をつけたい食べものと飲みもの
食中毒
妊娠中は一般の人よりもリステリア菌に感染しやすくなります。リステリアの感染による重症化はまれですが、妊婦さんは注意してください。免疫機能が低下しているため、リステリアが胎盤や胎児へ感染し、流産や生まれた新生児に影響がでることがあります。
さけたほうがよい食べもの
- ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの)
- 肉や魚のパテ
- 生ハム
- スモークサーモン
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家庭での予防方法
- 生野菜や果物などは食べる前によく洗う。
- 期限内に食べるようにする。
- 開封後は、期限に関わらず速やかに消費する。
- 冷蔵庫を過信しない。
- 冷凍庫で保存する。
- 加熱してから食べる。
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ひじき
ひじきにはヒ素が含まれています。ただし、バランスのよい食生活を心がけていれば健康上のリスクは高まりません1。気になるときは調理方法でヒ素を取りのぞきましょう。
- 水戻し : 5割(水戻しに使った水は調理には使わない)
- 茹で戻し : 8割
- 茹でこぼし : 9割
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お魚
お魚は良質なたんぱく質やEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含んでいます。すぐれた栄養素の摂取源で健康的な生活を営む上で重要な食材です。
一方、一部のお魚は、食物連鎖によって自然界に存在する水銀を体内に取り込みます。お魚を極端にたくさん食べるようなかたよった食べ方によって、胎児の発育に影響を与える可能性がこれまでの研究から指摘されています。
平成17年の食品安全委員会の評価結果をもとに、「妊婦への魚介類お摂取と水銀に関する注意事項」が公表されました。
約80g
日本人の平均1食に食べるお魚の量です。刺身1人前、切り身1切れ、それぞれが約80gです。これを目安にした場合、以下に注意して食べてください。
- 週1回まで: キンメダイ ツチクジラ メカジキ クロマグロ(本マグロ) メバチ(メバチマグロ) エッチュウバイガイ マッコウクジラ
- 週2回まで: キダイ マカジキ ユメカサゴ ミナミマグロ(インドマグロ) ヨシキリザメ イシイルカ
とくに注意が必要でないもの
- キハダ ビンナガ メジマグロ ツナ缶 サケ アジ サバ イワシ サンマ タイ ブリ カツオなど
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気をつけたい飲みもの
アルコール
妊娠期の飲酒は、胎児性アルコール・スペクトラム障害を引き起こす可能性があります。胎児性アルコール・スペクトラム障害は幅広い症状を含みます。飲酒量に比例してリスクも増える一方で、ここまでなら大丈夫という飲酒量はわかっていません。
胎児性アルコール・スペクトラム障害の症状例
- 顔面の特異的顔貌(例: 薄い上口唇 平坦な人中 平坦な顔面中央)
- 発達遅滞(低体重 体重増加の遅れ)
- 中枢神経系の障害(出生時の頭蓋の大きさの減小 小頭症・脳梁欠損などの脳の形態異常 感音性難聴 協調運動障害など)
そのほかに非遺伝子疾患による知的能力障害が指摘されています
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カフェイン
出生時の低体重と将来の健康リスクが高くなる可能性を考慮して、国際機関は注意喚起しています。1日あたりの摂取制限は、マグカップで2杯程度です。
参照
- Q.1 清涼飲料水など食品に含まれるカフェインを過剰に摂取することは健康に問題があるのでしょうか。 ─厚生労働省
- カフェインの過剰摂取について ─農林水産省
- 食品中のカフェイン ─食品安全委員会ファクトシート
バランスのよい食事
近年、若い世代の「やせ」が指摘されています。その課題をうけて厚生労働省は、「妊産婦のための食生活指針」を発表しています。
- 妊娠前から、バランスのよい食事をしっかりとりましょう
- 「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
- 不足しがちなビタミン・ミネラルを、「副菜」でたっぷりと
- 「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分に
- 乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などでカルシウムを十分に
- 妊娠中の体重増加は、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に
- 母乳育児も、バランスのよい食生活のなかで
- 無理なくからだを動かしましょう
- たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう
- お母さんと赤ちゃんのからだと心のゆとりは、周囲のあたたかいサポートから
バランスのよい食事とは、一食で「主食・主菜・副菜」をそろえます。これが理想です。外食や中食も利用して毎日3食の食事をしっかりととりましょう。
- 主食: ご飯やパン、麺類など─エネルギー源
- 主菜: 肉や魚、大豆製品など─たんぱく質を多く含むもの
- 副菜: 野菜やきのこ類など─ビタミンやミネラルを含むもの
参照
- 健やかなからだづくりと食生活BOOK ─厚生労働省
- 妊産婦のための食事バランスガイド ─厚生労働省
- 妊産婦のための食生活指針 ―「健やか親子21」推進検討会報告書― ─厚生労働省
- 「食事バランスガイド」について ─厚生労働省
その他
妊娠と妊娠糖尿病について、Q&Aで解説しています。3食から6食へ分割した食事のとり方、間食を組み合わせた例が紹介されています。
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体重50kgの人の場合、 毎日4.7g(一週間当たり33g)以上を継続的に摂取しない限り、ヒ素のPTWI(WHOが定めた無機ヒ素の暫定的耐容週間摂取量)を超えることはありません。 ↩