妊産婦と虫歯
妊婦は虫歯になりやすい
- ものを食べると口の中は酸性化します。
- 唾液は口の中の酸性状態を中和します。
- 酸性状態を中和できなくなると虫歯になります。
妊婦の子宮は大きくなっていて、子宮が胃を圧迫するため、少量の食べ物を何度も口にしたくなります。食事の間隔が短くなりがちです。唾液が口の中の酸性化を中和できず、酸性状態が続き虫歯になりやすいです。
妊娠中の虫歯治療
不安や心配をひとりで抱えないでくださいね。治療は問題ありません。たとえば抜歯治療の場合、麻酔を使いますが、少量の局所麻酔です。赤ちゃんへの影響はありません。治療後に痛み止めの薬を服用する場合、母胎へ影響のない薬を処方します。
レントゲン撮影
レントゲンを撮影しなければならない場合、口の部分のみに照射します。お腹周りには放射線を防護するカバーをかけますので影響ありません。
虫歯の治療時期
虫歯が悪化するまえに、まずは受診してください。
妊娠初期(妊娠2〜3ヶ月頃)はつわりもひどく、安定期ともいいにくく、はげしい痛みをともなう長時間の治療は避けたほうがよいでしょう。妊娠中期(妊娠5〜8ヶ月頃)にさしかかると、安心して受診していただけます。
妊娠中の虫歯予防
フッ素入り歯磨き粉
フッ素を利用した一般的な予防は、フッ素入り歯磨き粉を使った歯磨きです。歯磨きしたあとは、すすぎすぎないようにしましょう。すすぎすぎに注意しても、フッ素は流れ出てしまいます。なので虫歯の予防効果は30%程度です。
フッ素洗口
1日1回30秒のブクブクうがいを毎日続けると、50〜80%の予防効果があります。
フッ素の効果
- 初期虫歯を治す
- 歯を強くする
- 虫歯菌の働きを抑える
いま虫歯になっていても、進行させないように心がけてください。虫歯になりにくい(虫歯を進行させない)お口の環境にしていきましょう。
コツコツと虫歯予防
妊娠中は虫歯になりやすい時期です。お口の中を清潔にして虫歯や歯周病に注意していく環境が赤ちゃんの歯と健康を守ります。生まれてくる赤ちゃんのためにも、自分のためにもコツコツと予防していきましょう。また定期健診を受診して適切な指導と専門的なケアをしてもらいましょう。