コンテンツにスキップ

母胎と歯周病

歯周病がもたらす低体重児出産の危険率

歯周病は早産・低体重児出産と関連していると考えられています。

1996年、歯周病と低体重児出産の関連が米国で報告されました。1 その後も研究は続き、35週未満の出産に対する危険率は約5倍、32週未満では約7倍と発表されました。日本でも妊娠期の歯周状態と低体重児出産のリスクに関して報告されています。2

歯周病と早産

炎症性物質が子宮内で胎盤を刺激して早産してしまいます。

炎症性物質は、歯周病にかかった歯周組織から産生されます。この物質が子宮内に移動します。炎症性物質が子宮内で胎盤は刺激して、分娩をはじめてしまい、早産に至ると考えられています。また、歯周病原細菌が子宮内で感染してしまい早産や低体重児出産を引き起こすと考えられています。低体重児は、出生後の医科的な管理が必要となったり、代謝疾患、呼吸循環器系疾患などの疾患に対するリスクの上昇の可能性が指摘されています。3


📁 参照

妊娠性歯肉炎

妊娠中、分泌される女性ホルモンの影響によって歯肉炎にかかりやすくなります。エストロゲンは歯周病原細菌の増殖を促し、プロゲステロンは妊娠終期に月経時の10~30倍ほど分泌されて、炎症のもとであるプロスタグランジンを刺激します。よって、妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。妊娠中はプラークコントロールにとくに注意してください。また出産後は歯周病へと移行してしまいかねないため、定期健診で口腔内をチェックしてもらいましょう。